炊き込みご飯にすると美味しい川ガニは、西日本ではツガニと呼ばれている川ガニで、一般名称はモクズガニです。
モクズガニは河川で獲ることができ、大きいものは、甲羅の幅が10cmくらいになるのですが、そんなに大きなツガニは滅多に獲れませんね。
モクズガニの身は少ないですが、炊き込みご飯にするとカニの出汁が出てご飯がとても美味しいです。
川ガニを食べるなんてちょっと嫌だなって方もいらっしゃるかもしれませんが、モクズガニご飯の美味しさは格別です。
お店で売っていることはあまりないので、好きな人は自分で獲りに行きます。
ちなみに、我が家では寒い季節になると夫が川ガニ(モクズガニ)を獲りに行っていたので、否が応でも調理をする羽目になりました。
そんな我が家の川ガニご飯は、カニを下茹でせずに炊く方法です。
モクズガニご飯の炊き方
我が家では、モクズガニを獲ってきたら、何をさておいても炊き込みご飯にします。
モクズガニご飯を炊くとき、カニを下茹でしてから炊く方が多いのですが、私は生のままで炊き込みご飯を炊いています。
生きたままの川ガニを処理する手間はかかりますが、ご飯がとてもおいしくなります。
モクズガニご飯の材料
米 4合
水 4カップ(炊飯器の印でOK)
モクズガニ 4杯
ごぼう 1/2本
人参 1/2本
あげ 1枚
醤油 大さじ4
みりん 大さじ1
出汁の素 小さじ1
※ごぼう、人参、あげなどの具材はお好みで!
炊飯器の水分量の印で水加減するときは、醤油とみりんが入った状態で合わせます。
米、調味料、水の順に入れて水分量の印に合わせてから、カニなどの具材を入れると良いです。
モクズガニご飯を炊く手順
モクズガニを獲ってきたら、死んでしまわないうちに調理をします。
すぐに調理しないときは、蓋つきの容器に入れておかないと、這い出してしまって行方不明になりますよ。
生きたままのモクズガニをキレイに洗わないといけないんですが、手で掴もうとするとハサミで挟もうとしてきます。
なので、鍋など蓋つきの容器にモクズガニと水を入れて蓋をし、ガラガラと鍋を回したり揺すったりして洗います。
3回くらい水を換えて洗えば良いでしょう。
まず、足を外すためにモクズガニを手で掴むので、軍手をしておく方が良いです。
左手でカニの甲羅を掴み、右手に箸など棒状のものを持ち、それをモクズガニのハサミに挟ませたら、クリっとネジってハサミを外します。
ハサミさえ外すことができれば、足は簡単にもぎ取れます。
足を外したら、腹の部分の「ふんどし」を外して、甲羅を外す前にもう一度キレイに洗います。
キレイに洗えたら甲羅を外します。
甲羅を外すと、ガニと呼ばれるカニのエラの部分が出てきます。
ガニ(カニのエラ)は、雑菌や汚れが付着しやすいので食べられませんから取り除きます。
カニ味噌が多いほど、ご飯が黄色くなって美味しいですから、カニ味噌が流れ落ちないように気をつけましょう。
かたにく(甲羅と足がつながる部分)は、足の付け根部分を包丁で削ぎ落とし、半分に切っておきます。
モクズガニの炊き込みご飯に入れるのは、甲羅、かたにく、カニ味噌です。
足はカニご飯には入れません。塩ゆでしておくと、大きいものは少しですが身を食べることができます。
ごぼうはささがき、人参は千切り、あげは小さめに短冊切りにしておきます。
炊飯器に米、調味料、水、具材の順に入れ、最後に甲羅を上に並べて炊飯します。
土鍋や圧力鍋で炊飯しても美味しいです。
加熱すると甲羅が真っ赤になります。甲羅の中に入り込んだご飯も美味しいですよ。
モクズガニの炊き込みご飯は、加熱調理も充分にできているので、安心して食べられます。
カニの身はほとんどないですが、カニの出汁がしっかり出ていますから、カニ味噌でご飯が黄色っぽくなったカニご飯の美味しさは格別ですね。
モクズガニを安全に美味しく食べるには!
川ガニ(モクズガニ)を食べる時に、気をつけたい事や知っておきたいことを纏めてみました。
調理するときに必ず守らないと、身体に害を及ぼすこともありますから、川ガニ調理の鉄則を守って、美味しさを堪能しましょう。
モクズガニの安全な食べ方
モクズガニのような淡水に生息する川ガニには、寄生虫が寄生していいます。
モクズガニに寄生するのは吸虫類で、モクズガニを中間宿主とし、過熱が不十分なモクズガニや、塩漬けや酢漬けで食したときに、一緒に吸虫も飲み込んでしまいます。
吸虫類を飲み込んでしまうと、人の身体を終宿主とし身体の中で幼虫から成虫になってしまうのだそうですよ。
考えただけでもゾッとしますね。
よくある感染症は、肺の吸虫感染症なんだそうです。
吸虫感染症を防ぐ方法は加熱です。しっかり加熱して食用すれば問題ありません。。
加熱したつもりでも、不十分な加熱処理で生煮えの状態だと、吸虫感染症に感染するリスクがあるので、しっかりと加熱することです。
モクズガニの食べ方色々
モクズガニは甲羅の幅が10cm程度まで大きく育ちますが、そんなに大きなモクズガニが獲れることは滅多にありません。
5~6cmくらいのものが多いですね。
充分に湯がいて身を食べるのもアリですが、5~6cm程度のモズクカニだと足も細いので、身を取り出すのが面倒なくらいです。
かたにく(甲羅と足がつながる部分)の身も取り出しにくいので、かたにくは出汁を取って、汁物で頂くのが良いです。
かたにくを包丁で叩き潰して団子状にしてお吸い物の実にしても美味しいです。
ですが、一番おすすめな料理は、モクズガニの炊き込みご飯です。
モクズガニが美味しい季節
夫の友人のカニ獲り名人が「カニ獲り行こう!」と誘ってくれるのは、いつも月明りのある月夜の夜中でした。
そして、モズクカニ獲りの時期は、とても寒い12月~2月頃だったんです。
なぜこの時期なのか、はっきりとした理由は知らないんですが、カニ獲り名人が「カニ獲り行こう!」と誘ってくるのがこの時期だったんです。
なので、この時期がモクズガニが一番おいしい時期なんだと私は思っています。
とても寒い時期の夜中に、川の中に入って獲るので、一人で行くことはありませんでした。
川の中流域でも石を剥ぐりながら獲ることもできるんですけど、たいていは河口の浅瀬で獲っていたようです。
浅瀬ですし、ズボンみたいに履くタイプの長靴を履いて獲るので、ずぶ濡れになることはないんですけどね。
でもやっぱり、冬の夜中に一人でモクズガニを獲りに行くのは危険なので、2人以上で行くようにしていました。
ここ数年は、カニ獲り名人の友人が高齢になったため、お誘いもなくなってしまったので、夫は「また獲りに行きたいなぁ」とぼやいてます。
まとめ
川ガニご飯は、モクズガニという河川に生息する淡水カニで炊きます。西日本ではツガニと呼んでいる地域もあります。
モクズガニが美味しい季節は、12月~2月の寒い時期ですが、好きな人は自分で獲りに行きます。
モクズガニは身が少ないのですが、炊き込みご飯にするとカニの出汁とカニ味噌で、とてもご飯が美味しくなるんです。
ただ、モクズガニのような川ガニは、吸虫類の寄生虫を宿しているので十分に加熱調理することが鉄則です。
しっかりと茹でて食しても良いのですが、身が少ないので食べた感はあまりありません。
それよりも、モクズガニの出汁がたっぷり出た炊き込みご飯がおすすめです。
カニの処理に少し手間がかかりますが、機会があればぜひモクズガニの炊き込みご飯を作ってみてくださいね。
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