秋に旬を迎える食材は、暑い夏を乗り切って消耗した人の身体に滋養を与えてくれる栄養成分をたっぷり含んでいます。
実りの秋と言われるこの時期、イモ類や果物が実り、秋が旬の魚は脂がのっています。
過ごしやすい気候になり食欲も旺盛になってきますね。
今回はそんな夏の疲れを回復し、冬に向けて摂りたい食材や買うときの選び方などについてまとめています。
秋が旬の野菜の栄養素や選び方
玉ねぎ
秋に旬を迎える玉ねぎは、北海道産のものですね。
本州以南では春に収穫した玉ねぎの保管状態が悪くなりかけている時期なので、この時期に新鮮な玉ねぎが流通するのはありがたいです。
ちなみに我が家は家庭菜園で春収穫の玉ねぎを作っていますが、冬場までには使い切るので北海道産の玉ねぎを買うようになってます。
ビタミンB1、アリシン、カリウム、食物繊維などが豊富です。
【選び方】
皮が良く乾いていて黄金色になっているもの、手で触るとかたく引き締まった感触ものを選ぶと良いです。
さといも
里芋の収穫期は9月~11月です。
イモ類の中ではエネルギーが低いので、肥満が気になる人にもおすすめな食材ですね。
里芋のぬめりは塩をまぶしてもみ洗いすると簡単にとれます。
さといもはカリウムや食物繊維が豊富です。また、さといも独特のぬめり成分は身体に良いと言われてますね。
【選び方】
里いもは乾燥させないことが長持ちの秘訣なので、湿り気のある泥がついたものを選ぶのがおすすめです。
芽がないもの、コロコロした形のもの、ひび割れがないものが良いです。
にんじん
にんじんは毎日の料理に欠かせない食材ですし、一年中出回っていますが、にんじんの本来の旬は秋~冬です。
オレンジ色のにんじんは西洋種で、鮮やかな赤色の金時にんじんは東洋種です。
にんじんは、β―カロテン、ビタミンC、カリウム、カルシウム、食物繊維などの栄養素が豊富です。
β―カロテンは体内でビタミンAに変わるのですが、にんじん1/2本で1日に必要なビタミンAが摂取できると言われるほどの優れものです。
濃い赤色の金時にんじんには、リコペンも含まれています。
【選び方】
色が濃く鮮やかでツヤがあるもの、表皮が滑らかなもの、茎が細いものがおすすめです。
茎が太いと芯も太く固いです。
ひび割れていたり、表面にひげ根があるものは避けた方が良いですね。
さつまいも
さつまいもは秋の味覚の代表的な野菜ですね。
我が家では、甘煮にしておかずにすることもあるんですけど、焼き芋にしたり、ふかし芋にしたり、どちらかというとおやつ的な存在だったりします。
便秘解消の助けになる食物繊維も豊富なので、便秘気味の人には嬉しい食材ですね。
サツマイモの主成分はほとんどがデンプンです。
食物繊維には、便量を増やすセルロースを多くんでいますし、ビタミンCも豊富に含まれています。
サツマイモを切ったとき、切り口から出る白い液はヤラピンという成分で、便を軟らかくする働きがあるんです。
良質な食物繊維とヤラピンの相乗効果で、便秘解消に最強の食材ですね。
【選び方】
お店で買うなら、表面の状態がなめらかなもの、ヒゲ根のあとが小さいもの、黒い斑点が少ないものが良いです。
形はふっくらと太っていて、全体的に太さが均一のサツマイモがおすすめです。
やまいも
山で採れる芋の総称が「やまいも」ということで、自然薯、長いも、大和芋などが「やまいも」になります。
やまいもの大きな特徴はぬめりと、生で食べられることです。
やまいもはデンプン分解酵素のアミラーゼが豊富に含まれているので消化が良く、胃腸を守ってくれます。
アミラーゼは熱に弱いので、すりおろしたり短冊切りにしたりで生のまま食べるのがおすすめ。
コリンやぬるぬる成分なども含んでいて、健康志向が高い人に人気ですね。
【選び方】
山芋の中で店頭に出回っているのは長芋がほとんどですね。
長芋は切り口が白くてみずみずしいもの、皮にハリがあってヒゲが多いもの、太さが均一で表面がでこぼこでないものが良いですね。
あと、皮の色が紫っぽく変色しているものは古いので避けた方が良いです。
秋が旬の果物の栄養素や選び方
柿
柿って和風イメージ強いんですけど、カキの学名は「kaki」ということで、全世界共通の名称って知ってました?
栄養が豊富で、「柿が赤くなると医者が青くなる」などど言われるほどなんですって。
柿は甘柿と渋柿に大別され、渋柿はそのままでは食べられませんね。
柿にはカロテンとビタミンCが豊富に含まれていて、なんと、ビタミンCはミカンの2倍とも言われているんです。
柿の皮にはポリフェノールの一種であるタンニンが含まれていてアルコールを分解する働きがあるのだそう。
そういえば、柿を食べておくと悪酔いしないからと、おばあちゃんが飲み会に出かけるおじいちゃんに柿を勧めていたのを思い出しました。
成分うんぬんは知らなくても、昔から伝えられてきた食の知識は凄いですね!
【選び方】
柿は表面がツヤツヤでキズがないものが良いです。
未熟なものはかたく、熟してくると果肉がやわらかくなります。
食べごろは好みによるのですが、甘柿だとあまりやわらかくならない時期のものが私は好きです。
渋柿も、果肉がトロトロになるくらい完熟すると渋みが抜けて甘くなりますね。そんな渋柿はお店では売っていませんけど。
渋柿を渋抜きするときは、キズがないものが良いです。キズがあるのもは干し柿にしましょう。
生の柿は旬の時期にしか市場に出回らないので、この時期を逃さず秋の味覚を楽しみたいですね。
ぶどう
ぶどうの品種はなんと1万種を超えるほどもあるのだそう。
歴史もかなり古くて、8000年以上も前から栽培されている果実なんです。
日本ではフルーツとして生食が主流ですが、世界でみると8割ほどがワインの原料になっています。
品種改良もどんどん進んでいて、皮ごと食べられるぶどうなどの新品種が人気です。
ぶどうの主成分はぶどう糖です。
ぶどう糖は体内ですばやくエネルギー化されるので、疲労回復にもぶどうは良いですね。
ぶどうと言えばポリフェノールというイメージもありますよね。
ぶどうに含まれるのはアントシアニンというポリフェノールで、皮に含まれています。
他に、カリウム、リン、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル成分も含まれています。
ぶどうって、とっても身体に良さそうな果物ですね。
【選び方】
実の大きさが揃っているもの、一粒一粒の実にハリがあって房に実がぎっしりと詰まっているものが良いです。
また、房の軸が太くて青々としたものが新鮮です。
皮に白っぽい粉のようなものがしっかりついているものほど、水分の蒸発が少なく新鮮です。
古くなると実にハリがなくなって、ちょっと触っただけでポロポロと房から落ちてしまいますね。
ナシ
ナシの品種によっては7月頃から出回るものもありますが、たくさん出回る旬の時期は秋ですね。
果肉に水分が多くシャリシャリとした歯触りなので、暑い夏にも美味しいんですけどね。
ただ、夏だと冷たく冷やして食べるので、甘味を感じにくくなる気がします。
なので、やっぱり少し涼しくなった秋の方が美味しく感じます。
ナシには食物繊維、カリウムが豊富に含まれています。
糖アルコールの一種・ソルビトール、アミノ酸の一種・アスパラギンなども含まれています。
西洋ナシには抗酸化作用があるポリフェノールの一種・フラバノールも含まれています。
【選び方】
ずっしりと重みがあるもの、皮にハリがあるもの、軸がしっかりしているもの、皮の色にムラがないものが良いです。
皮に少し青みが残っているくらいの方が果肉の水分が多く美味しいです。
秋が旬の魚介類の栄養素や選び方
秋になると脂がのってくるので、魚が美味しい季節になります。
たとえば、サンマのように、焼くと身から出る脂に火が着くくらい脂がのってくる魚もありますね。
サケ
サケは養殖や輸入も盛んなので一年中出回っていますが、国産のサケは9月~11月頃が旬です。
秋から冬にかけて産卵のために沿岸に近づいてくる鮭は、「秋鮭」とか「アキアジ」などと呼ばれています。
国産の天然サケは、塩鮭、新巻鮭、鮭フレークなどに加工されて市場に出回ります。
程よい塩加減の塩鮭は、ごはんのお供にとても美味しくて、毎日食べても飽きないですよね。
鮭の主な栄養素は、タンパク質、ビタミンB群、ビタミンD、ビタミンE、EPAなどです。
EPAは中性脂肪を減らしてくれるとして注目されている栄養素ですね。
また、赤い身の色はアスタキサンチンという色素によるもので、アスタキサンチンには強い抗酸化作用があると話題になっています。
一切れで良いので、毎日鮭を食べなさいと言われるほど、鮭は身体に良い栄養分がたっぷり含まれているんです。
【選び方】
一尾買いするときは、皮の銀色がキレイに光っているか、皮にぬめりがないかなどで鮮度の良いものを選ぶと良いです。
一般家庭では、鮭をまるごと一尾買いすることはなく、通常は切り身で買いますよね。
切り身の場合は、身がしまって弾力があるもの、透明感があるもの、白い筋(脂肪)が入っているもの、身のピンク色が脱色していないものが良いです。
戻りガツオ
フィリピン沖から黒潮に乗って北上してきたカツオは、エサを捕食しながら三陸沖まで北上し、水温の低い親潮にぶつかると、8月下旬~9月頃から南下してきます。
この時期に獲れるのが「戻りガツオ」です。
戻りガツオは、夏場にエサをたっぷり食べて肥えているので、脂がのっています。
カツオには、不飽和脂肪酸のDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンエン酸)、ビタミンB12、ビタミンD、タウリンなどが豊富です。
DHAやEPAは加熱すると損なわれてしまうので、刺身やたたきなどで生食がおすすめです。
カツオの漬け丼も美味しいですよ。
【選び方】
カツオは切り身を買うのが一般的ですよね。
切り身の場合、刺身状態に切っているものより、半身とかサクになっているもので、身の色が深い赤色で透明感があるものを選ぶと良いです。
一尾丸ごと買うときは、ぷっくりと太っていて体にツヤがあるもの、触るとかたくハリがあるものが良いです。
目に濁りがなく澄んでいるもの、背中の縞模様がハッキリしているものは鮮度が高いとのこと。
カツオは傷みやすいので、鮮度が良いものを選びたいですね。
ちなみに、私はカツオのたたきをよく作るのですが、たたき用に焼いて真空パックし冷凍してあるカツオを買うことが多いです。
鮮度が良いうちに加工処理して冷凍されているので失敗が少ないですし、手抜きで時短調理できます。
サンマ
サンマに脂がのって美味しくなるのは秋ですね。
脂がのったサンマを焼いていると、火が着くこともあるくらいですよね。
サンマを焼いていると、通りを歩いていても「このお宅、今夜はサンマなのね。」なんて外から分かっちゃうくらいですよね。
脂がのっていないサンマは身がかたく、旬の時期のサンマとは味も食感も雲泥の差です。
サンマの主な栄養素は、タンパク質、ビタミンA、ビタミンB12、DHA、EPAなどです。
青魚のサンマには、今話題のDHA、EPAが豊富に含まれているので、積極的に食べたいですね。
ビタミン類も多く含まれていて、特にビタミンB12が豊富です。
【選び方】
背が青黒く、腹が銀色のサンマ。この色が鮮明で輝きがあるものほど鮮度が良いです。
尾の付け根が黄色みを帯びているもの、身がかたくハリがあるもの、目に濁りがないものが良いです。
頭のすぐ後ろの背の部分が、シュっとしているものより、ぷくっり盛り上がっているものもサンマを選ぶときのポイントですね。
イワシ
イワシには、マイワシ、カタクチイワシ、ウルメイワシがあり、生食のほか干物などの加工食品も多いですね。
イワシは古くから栄養価が高く安価な魚として庶民的な食材でしたが、近年では漁獲量が減ってきたため、価格も上がってきています。
イワシには、今話題のDHA、EPAが、青魚の中でも多く含まれています。
また、カルシウムやビタミンDも含まれていて、栄養価が高い食材として人気が高いです。
【選び方】
鰯は鮮度が落ちやすいので、鮮度が良いものを選ぶのが一番のポイントですね。
パックされているものには、消費期限が表示されているので、新鮮なものを選ぶようにしましょう。
イワシは鮮度が落ちると目が赤くなってくるので、目が黒々と澄んでいるもの、体にハリがあるもの、うろこがついているものは鮮度が良いです。
サバ
青魚と言えばサバが思い浮かぶくらいで、サバもよく出回っている庶民的な魚ですね。
生サバも良いですが、我が家は塩サバの方が好みなので、生サバを買っても自家製で塩サバにしてしまうことも多いです。
サバの刺身も美味しいのですが、鮮度が落ちやすいですし食あたりすると怖いので、家庭で刺身が食べられることは滅多にないですね。
釣り好きの友人から、「刺身にできるよ!」と、釣りサバをいただいたときくらいです。
サバの主な栄養素は、タンパク質、ビタミンB群、ビタミンD、DHA、EPAなどです。
サバは脂質が多く、特に不飽和脂肪酸のDHAやEPAが豊富なので、脳の活性化や脳卒中や高血圧など生活習慣病予防にも積極的に摂りたいですね。
【選び方】
サバは鮮度が落ちやすいので、新鮮なものを選ぶの一番です。
一尾丸ごとなら、黒目がハッキリしていて澄んでいるもの、身がしまっていてハリがあるものが良いです。
切り身なら、切り口がやわらかくなっていないもの、パックに血が溜まっていないものを選ぶと良いです。
まとめ
秋が旬の食材は、夏に消耗した体に滋養を与える栄養素を含んだ食材が多いです。
暑い夏を乗り切って疲労した体を回復させ、寒い冬を耐え抜く身体づくりを助けてくれる食材を積極的に摂りたいですね。
実りの秋、食欲の秋と言われるだけあって、食べ物が美味しくなる季節なので、秋の味覚を楽しみながら身体を整えていきましょう。
▼関連記事▼
旬の食材が体に良い理由!春夏秋冬ごとの厳選おすすめ食品も紹介!
コメント